10月9日、寒い夜が明けてテントの外に出てみると、そこらじゅうが霜で真っ白。
篠原は寒さでよく眠れなかったらしい。
僕はぐっすり眠れたけどね。
午前6時すぎ、黒部五郎を目指して双六小屋を出発。
稜線東側の巻き道を行くことにします。
・・・しかし、いまいちペースが上がりません。
紅葉が外れだったので、僕のモチベーションは下がり気味。
とはいえ、双六から三俣蓮華にかけて眺めは最高です。
雄大なカール地形が連続し、振り返れば槍ヶ岳がどっしりとそびえています。
三俣蓮華岳の山頂に出ると、素晴らしい展望が広がります。
北には立山、遠く西のほうには白山。
目指す黒部五郎も姿をあらわしました。
いつ見ても美しい姿をしています。
・・・しかし遠いなぁ。
時間的にも体力的にも、今回は厳しいかもしれない。
ひとまず山頂をあとに歩き出したのですが、
三俣山荘への分岐点まで来て決断しました・・・
「三俣山荘でビール飲んで、まったりしよう!」
そう、今回の山の目的はお酒なのです!
(いつからそうなったのか・・・)
達成感より多幸感!
よし、今なら誰も我々の敗退を見ていない!
三俣山荘へレッツゴー!
人気の少ない三俣山荘はじつにのどか。
(あたりまえだ・・・みんな山頂目指してるんだから)
さて、ビールを飲むとしますか。
「えっと、エビスの350mlはありますか?」
「ごめんざさい。500mlしか残ってないんです。」
「しかたないなぁ、500mlで我慢してやるか。」
ぐびぐび。
気温も上がってぽかぽかしてきて気分は最高です。
少し酔いをさましてから、
こんどは稜線ルートを通って双六小屋に戻ることにしました。
双六岳の山頂からは定番の槍ヶ岳の眺め。
この確度からの槍が一番美しい。
小屋の手前から鷲羽岳。
鷲羽ぐらい登っておいてもよかったかな・・・
この夜もしっかりお酒を楽しんで眠りにつきました。
さあ、最終日の10月10日です。
さっさと下って温泉につかりたいので、
早起きしてテキパキとテントを撤収します。
この日は前日ほどの冷え込みはありませんでした。
弓折岳のあたりで朝日が昇りました。
朝焼けはなかったけど、幻想的な眺めです。
おなかがすいたので鏡平でひと休み。
チングルマの枯れ葉に降りた霜が美しい。
いいペースで下ってこれて、
あっというまにワサビ平のあたりまでやってきました。
このあたりの紅葉は、二日前と比べてずいぶん色づきが進んでいます。
最後のご褒美といった眺めに満足。
新穂高温泉につかったあと、それぞれの帰路につきました。
篠原は寒さでよく眠れなかったらしい。
僕はぐっすり眠れたけどね。
午前6時すぎ、黒部五郎を目指して双六小屋を出発。
稜線東側の巻き道を行くことにします。
・・・しかし、いまいちペースが上がりません。
紅葉が外れだったので、僕のモチベーションは下がり気味。
とはいえ、双六から三俣蓮華にかけて眺めは最高です。
雄大なカール地形が連続し、振り返れば槍ヶ岳がどっしりとそびえています。
三俣蓮華岳の山頂に出ると、素晴らしい展望が広がります。
北には立山、遠く西のほうには白山。
目指す黒部五郎も姿をあらわしました。
いつ見ても美しい姿をしています。
・・・しかし遠いなぁ。
時間的にも体力的にも、今回は厳しいかもしれない。
ひとまず山頂をあとに歩き出したのですが、
三俣山荘への分岐点まで来て決断しました・・・
「三俣山荘でビール飲んで、まったりしよう!」
そう、今回の山の目的はお酒なのです!
(いつからそうなったのか・・・)
達成感より多幸感!
よし、今なら誰も我々の敗退を見ていない!
三俣山荘へレッツゴー!
人気の少ない三俣山荘はじつにのどか。
(あたりまえだ・・・みんな山頂目指してるんだから)
さて、ビールを飲むとしますか。
「えっと、エビスの350mlはありますか?」
「ごめんざさい。500mlしか残ってないんです。」
「しかたないなぁ、500mlで我慢してやるか。」
ぐびぐび。
気温も上がってぽかぽかしてきて気分は最高です。
少し酔いをさましてから、
こんどは稜線ルートを通って双六小屋に戻ることにしました。
双六岳の山頂からは定番の槍ヶ岳の眺め。
この確度からの槍が一番美しい。
小屋の手前から鷲羽岳。
鷲羽ぐらい登っておいてもよかったかな・・・
この夜もしっかりお酒を楽しんで眠りにつきました。
さあ、最終日の10月10日です。
さっさと下って温泉につかりたいので、
早起きしてテキパキとテントを撤収します。
この日は前日ほどの冷え込みはありませんでした。
弓折岳のあたりで朝日が昇りました。
朝焼けはなかったけど、幻想的な眺めです。
おなかがすいたので鏡平でひと休み。
チングルマの枯れ葉に降りた霜が美しい。
いいペースで下ってこれて、
あっというまにワサビ平のあたりまでやってきました。
このあたりの紅葉は、二日前と比べてずいぶん色づきが進んでいます。
最後のご褒美といった眺めに満足。
新穂高温泉につかったあと、それぞれの帰路につきました。
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南アフリカの紀行文がまだなのですが、、、その前に。
先日の三連休(体育の日)に出かけた、山の写真をお届けします。
10月上旬のこの時期。
やっぱり気になるのは紅葉です。
人混み覚悟で涸沢へ行くか?
いやいや、妙高・火打もいいんじゃないか?
後立山もアクセスいいから魅力的・・・
などと議論を交わした結果、
決まったのは新穂高からの黒部五郎ピストン。
以前、夏に歩いたことがあって、
すごくいい場所だったので紅葉に期待が高まります。
しかし、じつに久々の山です。
6月の高妻山以来。
うーむ・・・体がついていくのだろうか?
10月7日の深夜、新穂高の駐車場で、
今回一緒に登る大和田夫妻、篠原と落ち合いました。
なんと、川沿いの無料駐車場がすでに満車で、
車を止められたのはかなり離れた鍋平園地の駐車場!
いきなり出ばなをくじかれました・・・
翌朝の予定を確認し、ビールを飲んで眠りにつきました。
10月8日午前6時すぎ、駐車場を出発。
天気は申し分のない快晴です。
約40分で新穂高バスターミナルに到着しました。
ここからゆるゆると林道を登っていきます。
大和田(夫)の荷物がやたらと大きいのが気になりますね・・・
ワサビ平でひと休み。
この朝はよく冷え込んでいて、ベンチには霜が降りてました。
さすが紅葉シーズン、賑わってます。
あたりのブナ林も色づきはじめています。
秩父沢での休憩をはさんで、
イタドリガ原~シシウドガ原の登りにさしかかります。
このあたり、森林限界を越えてナナカマドやダケカンバが多いと思うのですが・・・
ありゃ・・・なんだかまったく色づいていません。
紅葉が終わったというより、どうやら色づく前に葉が枯れてしまった様子。
ちょっとがっかりだね。
急登が終わると鏡平の素晴らしい風景が広がります。
空気は澄んでいて最高なのですが、
やはり色づきはまったくありません。
こんなに茶色ばかりの秋山は、はじめてかも。
鏡平から弓折岳の稜線を越えて双六小屋のテン場に到着。
どこもかしこも紅葉はダメっぽい。
こうなったらもう酒を楽しむしかない!
というわけで早速、宴といきます。
大和田夫妻の異常な荷物の量が明らかになります。
1kgのキムチ(!)に生肉、生野菜などを取り出して、キムチ鍋を作りはじめました。
なんてクレイジーなんでしょう・・・
まねできないけど、うらやましい。
少しお裾分けをいただいて、こっちは篠原とワインで乾杯。
それにしても冷える、冷える。
日が沈む前からテントに霜が降りだしてます。
つづく
先日の三連休(体育の日)に出かけた、山の写真をお届けします。
10月上旬のこの時期。
やっぱり気になるのは紅葉です。
人混み覚悟で涸沢へ行くか?
いやいや、妙高・火打もいいんじゃないか?
後立山もアクセスいいから魅力的・・・
などと議論を交わした結果、
決まったのは新穂高からの黒部五郎ピストン。
以前、夏に歩いたことがあって、
すごくいい場所だったので紅葉に期待が高まります。
しかし、じつに久々の山です。
6月の高妻山以来。
うーむ・・・体がついていくのだろうか?
10月7日の深夜、新穂高の駐車場で、
今回一緒に登る大和田夫妻、篠原と落ち合いました。
なんと、川沿いの無料駐車場がすでに満車で、
車を止められたのはかなり離れた鍋平園地の駐車場!
いきなり出ばなをくじかれました・・・
翌朝の予定を確認し、ビールを飲んで眠りにつきました。
10月8日午前6時すぎ、駐車場を出発。
天気は申し分のない快晴です。
約40分で新穂高バスターミナルに到着しました。
ここからゆるゆると林道を登っていきます。
大和田(夫)の荷物がやたらと大きいのが気になりますね・・・
ワサビ平でひと休み。
この朝はよく冷え込んでいて、ベンチには霜が降りてました。
さすが紅葉シーズン、賑わってます。
あたりのブナ林も色づきはじめています。
秩父沢での休憩をはさんで、
イタドリガ原~シシウドガ原の登りにさしかかります。
このあたり、森林限界を越えてナナカマドやダケカンバが多いと思うのですが・・・
ありゃ・・・なんだかまったく色づいていません。
紅葉が終わったというより、どうやら色づく前に葉が枯れてしまった様子。
ちょっとがっかりだね。
急登が終わると鏡平の素晴らしい風景が広がります。
空気は澄んでいて最高なのですが、
やはり色づきはまったくありません。
こんなに茶色ばかりの秋山は、はじめてかも。
鏡平から弓折岳の稜線を越えて双六小屋のテン場に到着。
どこもかしこも紅葉はダメっぽい。
こうなったらもう酒を楽しむしかない!
というわけで早速、宴といきます。
大和田夫妻の異常な荷物の量が明らかになります。
1kgのキムチ(!)に生肉、生野菜などを取り出して、キムチ鍋を作りはじめました。
なんてクレイジーなんでしょう・・・
まねできないけど、うらやましい。
少しお裾分けをいただいて、こっちは篠原とワインで乾杯。
それにしても冷える、冷える。
日が沈む前からテントに霜が降りだしてます。
つづく
19日の日曜日、梅雨の晴れ間を縫って、大和田さんたちと高妻山を登ってきた。
高妻山は日本百名山のひとつで、長野と新潟の県境にそびえる2,353mの山。
切り立った岩峰の連なる戸隠山の背後に、美しい円錐型でたたずんでいる。
日帰りの山としてはかなりのロングコースで、おそらく百名山のなかでも屈指だと思う。
・・・かなり疲れた、ほんと。
けれど、それに見合った素晴らしい花々が待ってくれていた。
なんといっても今回の目当てはシラネアオイ。
数年ぶりに見る満開のシラネアオイが登山道の両脇を埋め尽くし、
それはそれは素晴らしい山だった。
まずは、ちょっと長い前置きから・・・。
「植物の写真を撮っている」
というと、
「一番好きな花は何ですか?」
と訊かれることが時々ある。
嬉しい質問ではあるけれど、ちょっと悩ましくもある。
そんなとき僕が、
「日本の野生植物で、植物学的な関心を抜きにするなら・・・」
という前提つきで答えるのは、シラネアオイだ。
よ~く考えてみても、シラネアオイ以外には考えられないような気がする。
まず第一に、唯一の日本に固有の科であること。
分布域が北日本の日本海側に限られていて、どこでも見られるわけではないこと。
なにより、山に咲く花のなかで、花の大きさと美しさが群を抜いていること。
そんな理由で、僕はシラネアオイを選ぶ。
日本が世界に誇る、富士山の様な存在と言ってもいいかもしれない。
そんなシラネアオイを見たのは、これまでに2回だけ。
10年近く前の雨飾山と、5年前の爺ヶ岳柏原新道だ。
それ以来、シラネアオイをちゃんと撮影したいと毎年思いながら、
なかなかチャンスに巡りあえずにいた。
それが今回の高妻山で、ようやく実現した。

土曜日に大和田さんたちと合流して、戸隠へ向かった。
雨の残る戸隠キャンプ場にテントを張って、戸隠蕎麦をいただきに。
帰りには雨もあがり、戸隠中社と鏡池を見物。
夜はキャンプ場で、とっておきの南アフリカ産ワインを満喫。

二日酔いで頭がズキズキするなか、4時すぎに登山開始。
雨はすっかりあがって、壮大な朝焼けが広がる。
登山口の戸隠牧場には、トチ、ミズナラ、サワグルミの大木がならんで美しい。

うっそうとした森をゆく。
足もとにはズダヤクシュ、ラショウモンカズラ、ユキザサ、コケイラン、
クルマバソウ、タチカメバソウ、オオバミゾホオズキなどが咲く。

なかなかスリリングな、スラブ帯のトラバース。
鎖場が三ヶ所連続する。

稜線に近づくにつれ、咲き残ったサンカヨウが見られるように。
ガラス細工のように美しい。
シラネアオイもちらほら出てくる。

一不動から先の戸隠主稜線では、
ツバメオモトもあちこちで咲いている。

五地蔵を下った鞍部のあたりから、つぎつぎとシラネアオイがあらわれる。
登山道の両脇が薄紫に彩られ、見事としかいいようがない。
まさにシラネアオイ街道(©ひろこさん)。

鞍部のアップダウンを繰り返し、
最後の急登を乗り切ると、ようやく山頂が見えてきた。

無事に登頂!
疲れた・・・でも幸せ。
途中では北アも見えたけど、いまはもうガスのなか。

なんとも愛らしいヒメイチゲ。

ガスのおかげで、シラネアオイがしっとりといい雰囲気になってきた。
夢中になって、シャッターを切りまくる。



戸隠の稜線にもどって、イチヨウラン。
こちらの稜線は比較的乾いているので、また違った花が見られる。

岩場に咲くのは、ミヤマアズマギクかな?
ミヤマクワガタも咲いている。
蕾だったけど、キバナアツモリソウも群生していて驚いた。

樹林帯のコケイラン。
鎖場も無事に通過して、ようやく平坦な場所まで下りてきた。

ズダヤクシュは小さいけど個性的。
おなかは空いたし、膝も痛い。
体力的にも精神的にも充実感いっぱい。
笈ヶ岳に登った翌週の5月21日、伊吹山を北尾根に寄り道しつつ登ってきた。
この計画は、連休に泊まらせていただいたとき、大和田夫妻と約束していたもの。
お二人はこの日にあわせて、遠路はるばるやってきてくれたのだ。
米原側から登らずに、わざわざ北尾根を目指したのは、ある花を見たかったから。
その花はヤマブキソウ。
ケシ科の草本で、花の色も、花の時期も、
バラ科で木本のヤマブキとそっくり、という植物だ。
ヤマブキソウは以前、米原から登ったときに9合目あたりで見たことがある。
そのときこの花にすっかり惚れてしまった僕は、
それ以来、ぜひもっと大きな群落に出会いたいと夢見ていたのだ。
ひとつの花を見るために、ひとつの山を登る。
そんな登山スタイルが、バカバカしくて、でも僕は誇らしく思う。
連休中に登ったときは早すぎたので、
今回こそは!と期待をこめて登ることにした。

揖斐川町春日村の笹又から登りはじめ、ドライブウェイの近くで一休み。
天気がいいのは嬉しいけど、蒸し暑い天気だ。
ここまでで、すでにヤマブキソウがちらほらと見られた。
他にはイチリンソウ、ヤマルリソウ、フタバアオイ、
ウマノアシガタ(キンポウゲ)、ハクサンハタザオ(イブキハタザオ?)なども。

北尾根に入ると、さらに花の種類が増える。
先ほどの花に加え、ウスバサイシン、ザゼンソウ、ヤマエンゴサク、サンカヨウ、
ルイヨウボタン、ハシリドコロ・・・ヤマシャクヤクは・・・残念ながら咲いてなかった。
写真はちょっとおフザけで、三ッ葉葵の紋をつくってみた。
あ、葉っぱの向きが逆か。

そして御座峰(ごぜみね)に近づくと、お待ちかねのヤマブキソウの群落。
歓喜の声をあげて撮影していたら、おばさまたちから花の質問攻めにあってしまった(笑)
「この花はなんでしょうか?」
「エンゴサクって、どんな漢字書くんですか?」
・・・わかりません。

しかしヤマブキソウとは、よく名付けたもんだ。
ぴったりの名前だと思う。
(クリックで拡大)

御座峰の山頂で昼休憩にする。
日帰り登山にMSRを持参してきているリュウジさん。
カッコよすぎる(笑)

ルイヨウボタンも群生している。
派手さはないけど、瑞々しい草姿。

フタバアオイは、下向きの花を写すのが難しい。
カンアオイの仲間は、よく撮影のために落ち葉が払いのけられていたりする。
あれはネイチャーフォトとして反則だね。

来た道を引き返す途中で、もいっちょヤマブキソウ。
(クリックで拡大)

せっかくなので、山頂も踏んでいくことにした。
ところが、暑さのせいか、次第に三人ともバテてくる。
それでも花を見つけるとカメラを構える僕。
山頂への遊歩道は、ニリンソウが満開だった。
(クリックで拡大)

山頂の売店で冷たい飲み物を飲んで、ひと休み。
車で来た観光客や、表道から登ってきた今風の山ガールで、山頂はにぎわっていた。
石灰岩に寄り添って咲いていたキジムシロの仲間は、
ヒマラヤの高山植物を見ているようだった。
伊吹山から下山すると、温泉で汗を流したあと、一路鈴鹿へ。
もう一人の旅仲間、京都から来てくださった藤本さんと合流した。
藤本さんはオートバイでユーラシア大陸横断、南北アメリカ大陸縦断を成し遂げた猛者。
大和田さんと同じ時期に、ブエノスアイレスで知り合った仲間だ。
その後、僕の以前の仕事場の仲間と一緒に居酒屋で宴会。
新しい人と人との交流がうまれて、楽しいお酒になった。
そしてこの日は、近くの浜でテント泊。
たくましいぞ、我々!(笑)
翌日は昼前から雨が降り出すあいにくの天気。
しかし、大和田さんもやる気満々なので、誰もいない浜で潮干狩りを決行。
(海に浸かっているので、もはや潮干狩りじゃないかも・・・)
寒さに凍えながら、なんとかバカガイを集めることができた。
旅仲間とか山仲間って、どんな状況でも楽しんでくれるからいい。
一緒に遊んでて、ほんとに自由な気分になれる。
盛りだくさんの楽しい週末だった。

白子の居酒屋にて。
左から藤本さん、ヒロコさん、リュウジさん。

翌朝、浜の近くにならぶテント。
なんだろう、この眺め・・・なんか楽しくなってくる(笑)

潮干狩りの成果。
アサリは皆無、ドンビ(シオフキ)がほとんどだけど、そこそこバカガイが集まった。
この計画は、連休に泊まらせていただいたとき、大和田夫妻と約束していたもの。
お二人はこの日にあわせて、遠路はるばるやってきてくれたのだ。
米原側から登らずに、わざわざ北尾根を目指したのは、ある花を見たかったから。
その花はヤマブキソウ。
ケシ科の草本で、花の色も、花の時期も、
バラ科で木本のヤマブキとそっくり、という植物だ。
ヤマブキソウは以前、米原から登ったときに9合目あたりで見たことがある。
そのときこの花にすっかり惚れてしまった僕は、
それ以来、ぜひもっと大きな群落に出会いたいと夢見ていたのだ。
ひとつの花を見るために、ひとつの山を登る。
そんな登山スタイルが、バカバカしくて、でも僕は誇らしく思う。
連休中に登ったときは早すぎたので、
今回こそは!と期待をこめて登ることにした。

揖斐川町春日村の笹又から登りはじめ、ドライブウェイの近くで一休み。
天気がいいのは嬉しいけど、蒸し暑い天気だ。
ここまでで、すでにヤマブキソウがちらほらと見られた。
他にはイチリンソウ、ヤマルリソウ、フタバアオイ、
ウマノアシガタ(キンポウゲ)、ハクサンハタザオ(イブキハタザオ?)なども。

北尾根に入ると、さらに花の種類が増える。
先ほどの花に加え、ウスバサイシン、ザゼンソウ、ヤマエンゴサク、サンカヨウ、
ルイヨウボタン、ハシリドコロ・・・ヤマシャクヤクは・・・残念ながら咲いてなかった。
写真はちょっとおフザけで、三ッ葉葵の紋をつくってみた。
あ、葉っぱの向きが逆か。

そして御座峰(ごぜみね)に近づくと、お待ちかねのヤマブキソウの群落。
歓喜の声をあげて撮影していたら、おばさまたちから花の質問攻めにあってしまった(笑)
「この花はなんでしょうか?」
「エンゴサクって、どんな漢字書くんですか?」
・・・わかりません。

しかしヤマブキソウとは、よく名付けたもんだ。
ぴったりの名前だと思う。
(クリックで拡大)

御座峰の山頂で昼休憩にする。
日帰り登山にMSRを持参してきているリュウジさん。
カッコよすぎる(笑)

ルイヨウボタンも群生している。
派手さはないけど、瑞々しい草姿。

フタバアオイは、下向きの花を写すのが難しい。
カンアオイの仲間は、よく撮影のために落ち葉が払いのけられていたりする。
あれはネイチャーフォトとして反則だね。

来た道を引き返す途中で、もいっちょヤマブキソウ。
(クリックで拡大)

せっかくなので、山頂も踏んでいくことにした。
ところが、暑さのせいか、次第に三人ともバテてくる。
それでも花を見つけるとカメラを構える僕。
山頂への遊歩道は、ニリンソウが満開だった。
(クリックで拡大)

山頂の売店で冷たい飲み物を飲んで、ひと休み。
車で来た観光客や、表道から登ってきた今風の山ガールで、山頂はにぎわっていた。
石灰岩に寄り添って咲いていたキジムシロの仲間は、
ヒマラヤの高山植物を見ているようだった。
伊吹山から下山すると、温泉で汗を流したあと、一路鈴鹿へ。
もう一人の旅仲間、京都から来てくださった藤本さんと合流した。
藤本さんはオートバイでユーラシア大陸横断、南北アメリカ大陸縦断を成し遂げた猛者。
大和田さんと同じ時期に、ブエノスアイレスで知り合った仲間だ。
その後、僕の以前の仕事場の仲間と一緒に居酒屋で宴会。
新しい人と人との交流がうまれて、楽しいお酒になった。
そしてこの日は、近くの浜でテント泊。
たくましいぞ、我々!(笑)
翌日は昼前から雨が降り出すあいにくの天気。
しかし、大和田さんもやる気満々なので、誰もいない浜で潮干狩りを決行。
(海に浸かっているので、もはや潮干狩りじゃないかも・・・)
寒さに凍えながら、なんとかバカガイを集めることができた。
旅仲間とか山仲間って、どんな状況でも楽しんでくれるからいい。
一緒に遊んでて、ほんとに自由な気分になれる。
盛りだくさんの楽しい週末だった。

白子の居酒屋にて。
左から藤本さん、ヒロコさん、リュウジさん。

翌朝、浜の近くにならぶテント。
なんだろう、この眺め・・・なんか楽しくなってくる(笑)

潮干狩りの成果。
アサリは皆無、ドンビ(シオフキ)がほとんどだけど、そこそこバカガイが集まった。
笈ヶ岳の二日目は、行動時間が長くなることを考えて、
薄暗いうちから行動することにした。
川北先生の話では、夜中は月明かりのブナ林が素晴らしかったそうだ。
ぐうぐう寝ていたのが悔やまれる。
早朝の雪はしっかりと締まっていて、アイゼンがよく効く。
冬瓜山(かもうりやま)稜線の北側斜面をトラバースしながら高度を上げていく。
ちょっと落石には注意したいところだ。
そのままトレースをたどっていくと、シリタカ山のピークを少し越したあたりに出た。
昨日とは打って変わって、まぶしいくらいの朝陽が突き刺さってきた。
たっぷりと雪をたたえた白山に、目が釘付けになる。
・・・うーん、ぜひともスキーで登りたい。
「いやぁ、先生、ほんと、いい山に誘ってくれてありがとうございます」
山深くて、静かで、ほんのちょっと困難もある・・・こんな山が大好きだ。
稜線を鞍部まで下り、正面の岩場を避けて、左手の雪の沢をつめる。
笹薮をかきわけ視界が開けると、そこが石川、富山県境の稜線。
稜線から東側はすっかり雪に覆われていて、それが山頂へと伸びている。
最後にも素晴らしいご褒美が待ってくれていた。
雪のうえには、雨水の流れたあとが黒い筋となって、美しい模様を描いている。
白山を背に雪の稜線を登り下りしていくと、小さな山頂にたどり着いた。
僕と先生、二人だけの山頂。
山の奥深くにぽつりといる感じが、すごくいい。
しばらく展望を楽しんだあと、山頂をあとにした。
気温も上がってきて、春山らしい開放感と登頂の達成感が最高に気持ちいい。
シリタカ山のあたりまで下りてくると、次々と登山者が登ってきた。
みんなジライ谷からの日帰りらしい。
そう、事前によく調べればよかったんだけど、
僕らが歩いた一里野からのルートを歩く人は少なく、ジライ谷ルートが一般的なのだ。
・・・たしかに、帰りもまたあの薮こぎがあるかと思うとウンザリさせられる。
でも、冬瓜平で気持ちのいいテント泊ができたのだから、今回のルートも悪くはなかった。
山毛欅尾山までの帰路は、予想していたとおりの大変さだった。
気温も上がってきて、登りのとき以上に薮こぎに体力を奪われる。
川北先生もそうとうお疲れのご様子だ。
何度も休憩をはさんで、ようやく山毛欅尾山までたどり着いたときは、
あとはまっすぐ下るだけ、とホッとした。
そして山毛欅尾山からの下り。
登りのときから楽しみにしていた、最後のご褒美が待っていた。
登山道の両脇は、満開のカタクリ。
カタクリの絨毯のうえを歩いているような気分。
こんなに見事な群落を見るのは、はじめてだった。
川北先生も念願の二百名山のひとつに登頂できたし、僕も素晴らしい山を新しく知ることができた。
二人にとって、きっと文句のつけようがない、いい登山だったと思う。
薄暗いうちから行動することにした。
川北先生の話では、夜中は月明かりのブナ林が素晴らしかったそうだ。
ぐうぐう寝ていたのが悔やまれる。
早朝の雪はしっかりと締まっていて、アイゼンがよく効く。
冬瓜山(かもうりやま)稜線の北側斜面をトラバースしながら高度を上げていく。
ちょっと落石には注意したいところだ。
そのままトレースをたどっていくと、シリタカ山のピークを少し越したあたりに出た。
昨日とは打って変わって、まぶしいくらいの朝陽が突き刺さってきた。
たっぷりと雪をたたえた白山に、目が釘付けになる。
・・・うーん、ぜひともスキーで登りたい。
「いやぁ、先生、ほんと、いい山に誘ってくれてありがとうございます」
山深くて、静かで、ほんのちょっと困難もある・・・こんな山が大好きだ。
稜線を鞍部まで下り、正面の岩場を避けて、左手の雪の沢をつめる。
笹薮をかきわけ視界が開けると、そこが石川、富山県境の稜線。
稜線から東側はすっかり雪に覆われていて、それが山頂へと伸びている。
最後にも素晴らしいご褒美が待ってくれていた。
雪のうえには、雨水の流れたあとが黒い筋となって、美しい模様を描いている。
白山を背に雪の稜線を登り下りしていくと、小さな山頂にたどり着いた。
僕と先生、二人だけの山頂。
山の奥深くにぽつりといる感じが、すごくいい。
しばらく展望を楽しんだあと、山頂をあとにした。
気温も上がってきて、春山らしい開放感と登頂の達成感が最高に気持ちいい。
シリタカ山のあたりまで下りてくると、次々と登山者が登ってきた。
みんなジライ谷からの日帰りらしい。
そう、事前によく調べればよかったんだけど、
僕らが歩いた一里野からのルートを歩く人は少なく、ジライ谷ルートが一般的なのだ。
・・・たしかに、帰りもまたあの薮こぎがあるかと思うとウンザリさせられる。
でも、冬瓜平で気持ちのいいテント泊ができたのだから、今回のルートも悪くはなかった。
山毛欅尾山までの帰路は、予想していたとおりの大変さだった。
気温も上がってきて、登りのとき以上に薮こぎに体力を奪われる。
川北先生もそうとうお疲れのご様子だ。
何度も休憩をはさんで、ようやく山毛欅尾山までたどり着いたときは、
あとはまっすぐ下るだけ、とホッとした。
そして山毛欅尾山からの下り。
登りのときから楽しみにしていた、最後のご褒美が待っていた。
登山道の両脇は、満開のカタクリ。
カタクリの絨毯のうえを歩いているような気分。
こんなに見事な群落を見るのは、はじめてだった。
川北先生も念願の二百名山のひとつに登頂できたし、僕も素晴らしい山を新しく知ることができた。
二人にとって、きっと文句のつけようがない、いい登山だったと思う。