世界自然紀行

日本、そして世界の植物をめぐる旅

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10月30日の月曜日、朝からHotel Isolakaのすぐ近くにあるARICSという旅行会社へマダガスカルの旅の相談に出かけた。ARICSは日本人のKさんが経営している会社で、出国前に吉田先生から紹介していただいたのだ。

店に入るとKさんはまだ出社していなかったが、とりあえず女性スタッフにお願いして、マダガスカル南東部にあるFort Dauphine(フォール・ドーファン)までの国内線のチケットを予約してもらった。来客用のソファーにかけて、置いてあった「地球の歩き方」のマダガスカル編を読みながらKさんを待つことにした。

本を読んでいると、店に入ってきた女性客がスタッフと現地語で親しげに会話するのが聞こえてきた。見ると、顔つきや服装が日本人っぽい・・・と思っていたら、向こうから「旅行者の方ですか?」と声をかけられた。彼女はJAICAの青年海外協力隊としてタナに滞在しいる人だった(名前と活動内容を失念)。彼女は僕のノートに書いてあったKさんへの質問内容、例えば「水道水は飲めるか」とか「マラリア対策」といったメモが目についたようで、早速いろいろとアドバイスをくれた。・・・それにしても日本人女性を見るのは二ヶ月ぶり。やっぱ日本人がええなぁ。えへへへ。などと思っていると、Kさんが現れた。

Kさんは小柄ながら眼光が鋭く、鼻の下に髭を蓄え、ただならぬ雰囲気の人だった。40代中頃くらいだろうか。ひととおりの挨拶を済ませたあと、この旅の目的、これまでの南アの旅、マダガスカルで見たいものなどを話し、早速旅のプランの相談に入った。僕の見たい植物や地方の交通手段などを踏まえ、おおまかな旅のコースと日程が決まった。

航空券は夕方に出るということで、それまで街に出ることにした。タナ街には石畳の坂道が多く、ヨーロッパのような雰囲気がある。それでいて古い建物の屋根にはマダガスカル独特の鱗のような瓦が敷かれているのが面白い。昼食は小さなレストランでゼブ牛のグリルを食べた。マダガスカルでポピュラーな、いわゆるコブ牛だ。少し硬いがうまかった。

そのあとT/Cの両替のために銀行を訪れたのだが、これが厄介だった。どこも銀行は混んでいるし、フランス語が読めないから窓口もよくわからない。T/Cを差し出せば、購入時のレシートがいる、などと言われて突き返される。南アではもっとスムーズだったのに・・・。いろいろまわって、ようやく両替することができた。この先の旅を考え、かなりの額を両替したため、大金を手に持つことになってしまった。ちょっと不安だ。

夕方、ARICSで航空券を受け取った。フライトは二日後の11月1日。夕食はホテルの部屋で、マダガスカルのThree Horses Beerとともに軽く済ませた。


31日は、前日にKさんから勧められたタナ郊外のアンブヒマンガに出かけることにして、ホテルを朝7時に出た。アンブヒマンガはマダガスカルの古い王宮跡の丘で、その中腹には手つかずの原生林が残っている。そこを歩いてみてはどうか、という話だった。

アンブヒマンガへはタクシーブルースで30分ほどの道のり。タクシーブルースとはマダガスカルの公共交通機関で、バス、ミニバス、ピックアップトラックの荷台に座席を付けたもの、大型トラックの荷台に座席を付けたもの、といったように、場所や道路によって様々なタイプがある。タナの近郊を走っているのは、いわゆるバスのようだった。

まずはタクシーブルースのターミナルへと向かった。町中を歩いていて面白いのは、同じような物を売る飲食店や雑貨屋が数十メートル間隔で並んでいることだ。ネパールでも同じだった。きっと国の経済的、文化的な成熟具合と関係があるのだろう。かつての日本にもこういう風景があったはずだ。

そんなことを考えながら歩いていると、いつしか道がわからなくなってしまった。まずいなあ、と思いつつさらに適当に進むと、バラック小屋が立ち並び、下町的でなんとなくキケンなムードの漂う通りに出た。なんかヤバそうだ・・・。しかし、人の多い方へと歩いていくとその先にバスターミナルがあり、無事にバスに乗ることができた。

バスに揺られながらうとうと(キケンだなぁ)するうち、気がつくと丘を登る坂道になっていた。終点でバスを降り、そこから坂道を歩いた。

宮殿の入り口には門があり、そこの受付の人に森のことを訊ねてみた。すると、政府の許可証が無いと森には入れない、タナで許可を取ってこい、と帰ってきた。ええ~。Kさんは入れるって言ってたのに・・・。しかたないので、世界遺産にも登録されているらしい宮殿だけでも見ていくことにした。・・・しかしまあ、あまり見応えのあるものではなかった。津城跡みたいなもんだ。

宮殿跡の奥には展望の開けた岩場があって、そこからは延々と続く田園風景が見渡すことができた。これまでのアフリカには無かった、アジア的な景観だった。何か生えてないかと探してみると・・・出た!きたきたきた!花を見れば一目瞭然、ペリプロカ亜科だ!緑色の花冠から伸びるヒゲのような副花冠、その内側の肉柱体の構造は、まさしくキョウチクトウ科ペリプロカ亜科だった。

今回のマダガスカル旅行の目的は、南アと同じく多肉植物の自生地めぐりだったが、もうひとつ、日本では見られない数多くのキョウチクトウ科植物に出会うことも楽しみにしていた。マダガスカルにはキョウチクトウ科の中でもとくに面白いペリプロカ亜科やセカモネ亜科が多く、さらに日本にも自生するイケマ属の多様性の中心でもあった。そのペリプロカ亜科の一種が早速現れてくれたのだ。この先の旅でも面白いものが見れそうな、幸先のいいスタートだった。

タナに戻って夕方、ふたたびARICSを訪れ、航空券を受け取った。このとき偶然にも日本大使館の領事さんが店に居合わせ、ご挨拶させていただくことができた。さらにKさんの紹介で、マダガスカルのサルや爬虫類の調査でタナに滞在していた京大の方たちともお会いすることができた。久々にたくさんの日本人と話した一日だった。

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ペリプロカ亜科の一種 Unidentified species of Periplocoideae

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いつのまにやら半年以上が過ぎてしまって、いい加減に書かないとマズいので、これから頑張ってきます。マダガスカルの旅行記、スタート。



2006年10月29日、ヨハネスの空港からアンタナナリヴ行きSAA機に乗る。しばらくすると眼下に海岸線が見えてきた。モザンビーク海峡だ。海を越えて次に現れたのは、赤茶けた山々だった。ついにマダガスカルにやってきたのだ。

飛行機を降りると、まずは15USD(?)でビザを購入。続く入国審査を終えてロビーに出ると、早速タクシーの客引きが寄ってきた。ああ、この感じ。南アやナミブには無い、発展途上国らしい猥雑とした雰囲気。なんかもうどーでもいいやっ、と開き直ってしまえる雰囲気。

とりあえず、空港内の銀行でUSDをマダガスカルの通貨アリアリ(Ar)に両替。レートは1USD=2000Arくらい。厄介なのは旧通貨マダガスカルフラン(FMG)が未だに使われてたりするところで、これには頭を悩まされる。5FMGが1Arに相当するのだ。ちなみに物価としては、安めのホテル一泊が15000~20000Ar、安食堂のメシが2000~4000Ar、ミネラルウォーター1.5Lが1500Arといった感じ。

空港から首都アンタナナリヴ(タナ)へは、さきほどの開き直りで、「高いタクシーなんて乗ってられるか」とバスを選択。・・・しかし、このバスで早速ぼったくられてしまった。というかアリアリとフランが混在するマジックに引っかかってしまった。外国人旅行者が"Combien(いくら)?"とフランス語で訊ねると、どうも現地の人はFMGで答えるらしい。このときも"Trois mile"と答えられ、そのまま3000Arも払ってしまったのだが、本来は600Arでよかったのだ。

ともあれバスは無事にアンタナナリヴの街外れに到着。しかし現在地がサッパリわからない。とにかく吉田先生から勧められたHotel Shanghaiに行きたいのだ。先生からのメール通りのフランス語で、「(ホテルの近所にある)フランス大使館へ行きたい」ということをひたすら車掌に訴える。すると、バスを降りたおばちゃんが「連れてってやる」みたいなことを言うので、彼女に付いて行くことにした。

20分ほど歩くとフランス大使館があり、おばちゃんのおかげで無事にHotel Shanghaiに到着することができた。しかし肝心の部屋が空いていないという。他の安い宿ということでHotel Isolakaを勧められたので、そこへ向かうことにした。

Hotel Isolakaでは部屋にありつくことができた。夕食にはまだ早いので、少し外を歩いてみることにする。タナは坂の多い街だ。ホテルから少し歩くと公園があって、そこから坂の下へと階段が続いている。下には市場が広がっていて、反対側にも同じように階段が見えた。斜面に広がるれんが造りの街並が、ちょうど西日に照らされていて美しかった。

この日はホテルの向かいにある小さな店で夕食を取ることにした。メニューがフランス語なのでさっぱりわからない。まあとりあえず鶏なら間違いあるまい。ガイドブック(ケープタウンで日本人旅行者にコピーさせてもらった「旅行人」)に書いてあるフランス語を繋げて「鶏はあるか?」と訊ねてみた。しかし全然通じない。参ったな、と思いつつ"Chicken, chicken"と言うと・・・あっさりと通じてしまった。味はまずまずだった。

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アンタナナリヴの市街地。手前に並ぶタクシーは、超レトロなプジョーやシトロエン。さすが元フランス領だ。

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