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世界自然紀行

日本、そして世界の植物をめぐる旅

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5月14~15日、石川県の笈ヶ岳(おいずるがたけ)に登ってきた。
この山は日本二百名山のひとつで、白山の北方稜線上にあり、標高は1840m。

名前を聞いたことがある程度だったこの山に誘ってくれたのは、川北先生だ。
川北先生は数年前に百名山を完登して、
現在は二百名山完登まであとわずかというところ。
その残る数座のなかでも、比較的厄介なのが、この笈ヶ岳だ。
というのも、この山には整備された登山道が存在しないので、
基本的には積雪期にのみ登頂が可能なのだ。
それに登山の行程も長い。
僕は静かな残雪の山を歩けることに魅力を感じて、喜んで同行させてもらうことにした。

登山口は白山一里野スキー場の向かいにある山毛欅尾山(ぶなおやま)。
前夜に三重を出て北陸道を走り、スキー場の駐車場で仮眠して、翌朝から登りはじめた。
・・・そういえば、ETC休日割引のことを忘れてて、
23時57分にICを出たために割引が適用されなかったんだった。
いま思い出してもくやしい!!・・・

さて、山毛欅尾山の登りは水力発電所の急な階段ではじまる。
そこを登り終えると新緑の森が待っていた。
ブナやミズナラが若葉をしげらせ、ミツバツツジやタムシバが咲いている。
ナラ枯れの被害にあった木も、ふたたび枝を伸ばしはじめている。
足もとにはカタクリ、キクザキイチゲ、スミレサイシン、エンレイソウ。
とりわけカタクリの数がすごいけど、この日は曇り空のために花びらは閉じたままだ。

DSC_2990.jpg
登りだしは、とんでもなく急な発電所の作業用階段。
前を行く川北先生も辛そうだ。


DSC_3032.jpg
雪の多い地方だけあって、見事なブナ林が広がる。
ブナの幹の美しさに、何度も見とれてしまう。


DSC_3064.jpg
山毛欅尾山からは雪があらわれ、アイゼンを着けることに。


なだらかな山毛欅尾山の山頂に出ると、そこは一気に残雪の世界。
大小さまざまなブナが林立して、根開きした雪がさまざまな模様を描いている。
木々のあいだからは目指す笈ヶ岳、その北に大笠山が見える。
南にはうっすらと白山も。
ここからは雪の尾根歩きが楽しめるだろう、とアイゼンを着けることにした。

新緑と残雪のコントラストを眺めながら、気持ちよく歩いていたのもつかの間。
やせた尾根に入ると、雪はとぎれとぎれになり、
だんだんと薮こぎを強いられるようになってきた。
わずかな踏みあとや目印はあるものの、
薮の薄いところや安定した雪を探すのに苦労させられる。
稜線上には小さなピークもいくつかあって、なかなか距離がかせげない。
この日のテン場、冬瓜平(かもうりだいら)までは、
想像していた以上に時間がかかった。

DSC_3091.jpg
やぶ、やぶ、やぶ・・・
もう少し雪が残っていれば・・・


冬瓜平にたどり着くと、すぐにテントを設営し、暖かい飲み物を入れることに。
無事にこの日の行程を終えたことを、先生と喜びあう。
のんびりとくつろいでいると、次第に雲が流れ、晴れ間から西日がさしてきた。
雪原に立ちならぶ、貫禄をおびたブナの幹。
僕らの他には誰もいない。
原生の自然のなかにいる幸せを感じる。
これほど素晴らしい幕営地は、なかなか無いだろうと思った。


DSC_3132.jpg
テントを設営し、しばらくすると空が晴れてきた。
まだ遠く、笈ヶ岳が待っているのも見える。

DSC_3138S.jpg
ブナという木には、均整と粗雑さが同居している(適当な言葉が思いつかないな)。
遠くから見てると整然と並んで、まっすぐ伸びているようでも、
近くで見るとそれぞれがとてつもなく大きく、複雑な個性を備えている。

(クリックで拡大)


つづく。

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