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世界自然紀行

日本、そして世界の植物をめぐる旅

ご無沙汰しております。
更新が滞ってて、ほんと申し訳ない。。。

さて、去る1月27日、東京まで出かけてきました。
園芸同友会の「冬のセミナー」というものに講師として招いていただいたのです。
この同友会は若手の園芸関係者のあつまりで、横山直樹さんが会長をつとめてみえます。
ぼくのような無名の人間を呼んでいただけたのは、ほんと光栄なことです。

ことの流れは、昨年秋の東山植物園での写真展にさかのぼります。
このとき大学時代の恩師、吉田彰先生が写真展のことをいろんな方に周知してくれました。
それを受けて会場に来てくれたひとりがデンパークの長澤さん。
さらに長澤さんのすすめで来てくれたのが愛知の園芸農家で杉山さん。
お二人がぼくの写真に興味を持ってくれ、横山さんを紹介してくれました。
12月には東京で、横山さん、NHK出版の出澤さんと直接お会いすることができました。
そして話はぽんぽんと進み、今回の「講師」というハナシが決まったのでした。

会場は青山のNHK青山荘。
40名超の皆さんが聞きに集まってくれました。
話の内容はおまかせ…とのことだったので、
サキュレント・カルーの植物たちを地域ごとに紹介し、
撮影時の出来事や思い出なんかを1時間ほど語らせていただきました。
その後30分ほど、カメラマンの桜野良充さんを交えてトークセッションがありました。
桜野さんは主に園芸関係の商業写真を撮ってみえるのですが、
東北地方の被災地に花を届ける、という活動にも力を入れてみえます。
互いにまったく面識もなく、打ち合わせも直前10分ぐらいでドタバタして、
いったいどうなるんだ!?…という感じだったのですが、
桜野さんや司会役の佐々木さんのうまい語り口のおかげで、
それぞれの写真や植物についての思うところを語れたように思います。
セミナーのほうも、期待に添える内容だったのかどうか自信はないですが、
いろいろな方から感想をお聞きすることができ、充実したものになりました。

セミナー後は、同じ会場の広いホールに場を移して、
「植物を語ろう・関東新年会」が始まります。
こちらは、「雲南の植物」などで有名な森和男さんが中心となって毎年催されていて、
150名を超す園芸・植物関係者が幅広く集まる盛大なものです。
なんだかもう酔っ払ってわけのわからん感じでしたが、
とにかくいろんな方とご挨拶させていただき、言葉をかわすことができました。
森和男さん、吉田外司夫さん、大場秀章先生といった、
ぼくが植物に興味を持った頃から名前を知っている方ともお話することができました。

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自分はつくづく平凡な人間だなぁ、と思います。
少し前に読んだ司馬遼太郎の小説に「戦雲の夢」というのがあります。
土佐の長宗我部盛親を描いた物語です。
以下、内容に誤りがあるかもしれませんが…

物語のなかで盛親は、自分の境遇に不満を漏らしつづけます。
もう少し生まれるのが早ければ、
生まれた場所が土佐でなく、もっと京に近い場所ならば、
自分だって天下を取れていたかもしれない…
しかし盛親はある日気づきます。
自分はただの凡人で、天下をとるような器の人間ではないんだ、と。
そのことで気持ちの晴れた盛親は、
負けるとわかっている戦(大坂の陣)に自分のすべてを捧げて挑むことを覚悟します。

ぼくは大した取り柄のない平凡な人間だと思います。
そのくせ人とちがった道を歩もうとしている。
酒を飲めば偉そうに理屈をこねるし。
まったく困ったやつです。
凡人以下かもしれない。

それでも大切なものを知ってしまったのだからしょうがない。
異国を旅し、野生植物に出会う瞬間の喜びを知ってしまったのだから。
そこから目を伏せて歩んでいくことはできない。

南アフリカの植物でここまで来るのに6年。
納得がいくまでにはあと何年かかかると思います。
少し前までは、あの国も行きたい、この国も行きたい、
と思っていたけど、この人生ですべてを実現するのは難しいかもしれません。
出来る限りつづけていくしかなさそうです。
日々迷いのなかにいます。

そんななかで、たとえ一握りの人にでもぼくの写真が響いて、
感想をいただけるというのは嬉しいことです。
なんだかまたクソ長い話になってしまいましたけど、
とにかくセミナーもできたし、ポストカードも売れたし、
めでたしめでたし、というお話でした。
ありがとうございました。
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