世界自然紀行

日本、そして世界の植物をめぐる旅

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久々に更新、南部アフリカ旅の記録。ドラケンスバーグ登山二日目、いよいよ3000m超のピークへ。


旅の記録13
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10月26日。陽が昇る前にテントを撤収し出発。しだいに空が明るくなってきたが、雲が多いようだ。宿のおっちゃんは「曇ってても雨は降らないから心配するな。登るうちにたぶん雲の上に出るよ」と言ってたけど、大丈夫かなぁ。

尾根を登りきって前日の道に合流し、Sterkhornの山腹を西側に回り込むと、山に囲まれた広々とした谷に出る。雲は消えて、目の前にはDragon's Backという呼び名通りの、ゴツゴツとした山なみが見えている。こらからあの山の向こう側を目指すのだ。自信が無い・・・。

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Dragon's Back、この写真の左から一番目のクラックがGray's Passへ続くゴルジュ。
Ukhahlamba-Drakensberg Park, Kwa-Zulu Natal, RSA, 26/10/2006


谷の草原には、ぽつぽつとドラケンスバーグソテツ(Encephalartos ghellinckii)の姿が見られた。日本のソテツのイメージからすると、こんなふうに高い山の中に生えているのは不思議な感じだ。

再びガスに包まれながら、この日の幕営予定地に到着。近くの岩の下にテントなど不要な荷物をデポし、Gray's Passへ向けて、目の前の急な尾根に取り付いた。視界が少ないが、足下にロドヒポクシス(花屋さんで売ってる“アッツザクラ”)の白やピンクの花がたくさん咲いていて美しい。息を切らせて登っていくうち、ふとガスが切れて、巨大な垂直の岩壁と青空が視界に飛び込んで来た。振り返ると雲海が広がっていて、その向こうには、Sterkhorn、Cathkin Peak、Monk's Kowlが聳えている。こういう瞬間がたまらなくて山に登っているんだと思う。素晴らしい場所にいる幸せを噛みしめる。

岩壁の基部を右へトラバースし、峠へと続く深いゴルジュに入る。ゴルジュは急でガレていたので、ここが一番緊張したかもしれない。そこを抜けてGray's Passに出た瞬間、あまりにもドラマティックな風景の変化が待っていた。それまでの草原でも、急峻な岩場でもなく、そこに広がっているのは穏やかな起伏で、その間をたくさんの小さな沢が流れていた。美しい。感動がこみ上げて来て、とりあえず大声で叫んでみた。すごい所へ来てしまった。

070210b.jpg

Gray's Passからの眺め
Ukhahlamba-Drakensberg Park, Kwa-Zulu Natal, RSA, 26/10/2006


さて、これからどうするかが問題だ。ここからChampagne Castleの最高点までは結構ありそうに思える。さっきまでの急登で、かなり疲れているし、どうしよう。とりあえず、その手前の無名峰まで行ってみることにした。

ここからははっきりとしたルートも無いようなので、できるだけ植生を痛めないようにと注意しながら、好きな所を歩いて行く。あたりには、これまで見て来たのとは違う高山性の植物が見られた。キク科の花、アロエ科のクニフォフィアなど、美しい花が時おり現れる。

070210c.jpg

キク科、属は不明です。(ASTERACEAE)
Ukhahlamba-Drakensberg Park, Kwa-Zulu Natal, RSA, 26/10/2006


ピークには、へとへとになりながら辿り着いた。そこには小さなケルンがあった。我ながらよく歩いた。もう満足だという気もする。しかし、最高点はもうすぐそこに見える。ここまで来たんだ。行かないと後悔するに違いない。

夢中で歩くと、3377mのピークまではあっという間だった。ここもケルンだけのシンプルな山頂だった。今までに無い達成感がこみ上げて来る。こんなにも変化にとんだ登山があっただろうか。人気が無く、ひとりぼっちで自然の中にいる感じもたまらない。ものすごい充実感だ。勝手な想像だけど、ヒマラヤの8000メートル峰の頂上に立つ感動というのも、こういうシンプルな気持なんじゃないかな。

070210d.jpg

Champagne Castleの最高地点。感動の記念撮影。


ゆっくりとあたりを見渡してみた。足下には切れ落ちた崖と雲海、その先にはCathkin Peakたちが聳えている。南から北側には、レソトとの国境を越えて延々と山なみが続いていた。

もっとこの場所にとどまっていたい気分だけど、雲も多くなってきたので下山することにした。途中、下から登ってくるのが数人。英語が通じず、どうやら山を越えて国に戻るレソトの人々のようだった。

荷物デポ地点に、無事に到着。長い一日だった。しかし、本当に素晴らしい登山ができたと思う。

26日。夜中に雨が降りだし、朝になっても霧雨が続いていた。憂鬱な気分で下山にかかる。宿に帰ってからのシャワーとコーヒーだけを考えて歩いた。そして無事にゲートへ帰還。迎えに来た宿のおっちゃんは"Well done!"と声をかけてくれた。

シャワーとコーヒーでくつろいだ後、おっちゃんにWintertonまで送ってもらい、再びバズバスに乗り込んだ。たった三日間だったけど、本当にいい所だった。次に南アを旅する時も、絶対ここに帰ってこようと思う。

そしてバズバスはヨハネスへ。郊外のバックパッカーズに泊まる。ここでは金をケチってテント(ドミより少し安い)泊にしたのだが、またもや一晩中雨に降られてしまった。

27日。犯罪都市として有名なヨハネス。しかし、ここは郊外。あるのは閑静な住宅街と、巨大なショッピングモール。買い物や久々の外食などで、のどかな一日を過ごした。

そして28日。ヨハネスブルグ国際空港からマダガスカルへと向けて飛び立った。

つづく。
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『レソト』について
レソトレソト王国(―おうこく)、通称レソトは、アフリカ南端部にある国である。首都はマセル。1966年10月4日にイギリスから独立した。周囲を南アフリカ共和国に囲まれた内陸国。非同盟中立路線を選んだ。レソト王国Mmuso wa Lesotho (ソト語)Kingdom of Lesotho (英語

2007.02.19 21:56 | 『世界の国々』

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